[学園編]
(──大勢の視線を感じる)
葵「……」
目の前にあるのは一台のカメラだ。
無機質なカメラをとおしてその背後に多くの人間の気配を感じている。
内田「すごいな。今日は開始一分で人が100人くらいきている。
このぶんだともっと人が増えるな。音声なしの放送なのにすごい」
聞こえてくる声に思わず微笑んでしまう
いつもより人が多い。
この姿はリアルタイムで配信されている。
ゲイ向けのSNSでしかチャンネルとパスワードを公開していない。
今見ているほとんどはゲイだろう。
色々な男達の視線に晒されて汚れることが出来る。
欲望、侮蔑──なんでもいいんだ。
多くなれば多くなるほど汚れていく。
取り返しのつかないことをしている自覚は充分あった。
そこまでしないと信用も安心もさせられない俺が悪いんだ。 |